回顧録

トリプルネガティブ、私の場合

はじめての乳がん検診( 2 )

私が20歳の時。
母を肺がんで亡くしています。46歳でした。

検診後から「同じ道をたどるのか」という言葉がちらつきはじめました。
こんな風に思うなんて、母に対して申し訳ない。そこからの自己嫌悪。

19歳で母のがん (ステージ4) を知った時は、何日も号泣したのに、自分の時は泣けなかった。
家でひとりになっても涙一滴でなかった。


ゴールデンウィークはもうすぐ。
はっきりとした検査結果はまだ出ていない。
旦那は脇のしこりも、乳腺クリニックで検査を受けたことも知ってはいるけど、乳がんだとは思っていない様子

旦那に言うのは検査結果が出てからにしよう!
半月ちょっと遅く知ったからと言って、特に支障はないでしょう。
その時の私は、旦那に19歳の自分を重ねていたのです。

思惑通り、旦那はゴールデンウィークを満喫してました(笑)
旦那であり、19歳の私でもあるので、それでいいんです。


あ、母の病気を知らないままの方がよかった、って事ではないですよ。それとこれは別なのです。うまく言えないけど。

2018年4月中旬

はじめての乳がん検診 ( 1 )

2018年4月中旬
予約していた乳腺クリニックで、触診、マンモ、エコー(超音波)、組織検査を受ける。

左脇のしこりは確認できる。だけど胸の異変はマンモに映らない。触診でも確認できない。
そんな感じなので、エコー検査は穏やかな雰囲気ではじまりました。

検診も、エコーを受けるのもはじめてだと伝えると、先生は丁寧に説明しながら進めてくれていたのですが、腫瘍らしき影に血流を確認してからは、口数が減りました。

今更モニターから目をそらすこともできず、ひたすらモニターを見続ける私。静かな検査室。

最後、脇にエコーを当てたら、大きな黒い影。先生はすぐにエコーをやめました。

組織検査が加わり、再び診察室で対面。
「検査結果はご家族といらしてください」
「…取り乱したりしないので、ひとりで大丈夫です」
「…わかりました」

「脇はね、気にしなくて大丈夫ですよ」
そう言って笑顔を見せる先生。

一瞬ホッとしたものの、すぐに気がつきました。
これは「優しい嘘」だと。
検査結果が出るまでの不安を、少しだけでも和らげようとしてくれたのだと思います。

検査結果は5月上旬。ゴールデンウィークが終わってから。とてつもなく長く感じました。

予兆?勘違い?

2018年、5月に乳がん、トリプルネガティブ、左脇リンパ節に転移の告知。
そこから遡ること10ヶ月前、2017年、夏の出来事です。

左脇がうっすらと臭うことに気がつきました。
でも右脇は臭わない。
なんでだろう?左脇だけ圧迫して寝たとか?謎すぎる。
慌てて制汗剤を買ったのを覚えています。

その後、乳がんと関係があるのだろうか?と疑問に思い調べてみたら、私と同じ症状の人がいた…っ!
そして乳腺外科の先生に関係があるのか質問してる人もいる…っ!!
先生の答えは「そんな訳あるかい(意訳)」

8割以上の人がそう言っているならともかく、超少数派すぎる体験談なうえに、先生に訴える人も、ほぼいない気がするので、先生がそう言うのはわかる。
私は後になってから、アレ?ってなったパターンです。

その左脇ですが、手術後は臭いがなくなり喜んでいたのですが、傷が回復して感覚が少し戻ってきたら、臭いも戻ってきました。

今は薬用石けんで洗い(色々試し中) 夏場はリフレアを塗って乗り切っています。

偶然の一致かもしれない。
そんな人もいるよ、って話です。

左脇が痛い ( 3 )

粉瘤の線は消えたので、次は「外科、内科クリニック」ヘ。
2024年の私からすれば「早く乳腺に行きなよ」って感じですが、前回の皮膚科で受けたダメージは相当なもので、ひとつの科しかない病院に行くのが怖くなったのです。
外科、内科だと、色々な症状の人を見てきているので、脇のしこりで来院しても「はぁ?」と言われることはなさそうだな…と。

そんな私の前に現れた先生。
「他の病気も考えられますが、可能性の中で一番怖いのは乳がんです。なのでその可能性を潰すためにも、先ずは乳腺クリニックでの検査をおすすめします」
「提携している訳ではないのですが、評判のいいクリニックがあるので、予約して行ってみてください」

待合室で会計を待っている時に「クリニックの場所が分かりづらいので地図をコピーしてきました」と赤ペンで書き込んだ用紙を渡してくれる心遣い。え…天使かな?

ここでも冷たくあしらわれていたら、検査も治療もかなり遅くなっていたはず。
この時の先生には本当に感謝しています。2018年4月上旬。

もしかしたら、私のような症状でネット検索する人がいるかもしれない。
その人に言いたい「脇のしこりは乳腺クリニック!今すぐGO!」


左脇が痛い(1)(2)(3) 終

左脇が痛い ( 2 )

痛みを感じて10日ほどで、大きなしこりに成長。
次に思ったのは「膿んでたんだ!」

触ると少し奥まった場所にあるので、そのうち表面に出てくるだろう、そうなったら膿を出そうと軽く考えていました。

しかし表面に出てくる様子はなく、走ると微かな痛みと共に、ドクンドクンとしこりが脈をうつようになったのです。左脇を下にして横になると痛みもある。すごいスピードで変化する脇のしこり。

さすがにおかしい。
そう思った私は「脇」「しこり」で検索することに。
そこにズラーッと並んでいたワードは「乳がん

思ってもいない検索結果にびっくり!
だって胸のどこを触ってもしこりのようなものは見つからないのに乳がん???
乳がんはかなり進行しないと痛みはないという記述も目立つ。私のしこりは痛い。胸じゃなくて脇だけど。

「粉瘤」という言葉も引っかかったので、たぶんこっちかな?こっちだよね?
そう思った私は、祈るような気持ちで皮膚科へ向かいました。

しかしですね、救いを求めた皮膚科の先生は、ものすっごく威張っていて、皮膚炎じゃないのに、皮膚科に来た無知な患者扱いするだけで、何科を受診したらいいのかすら教えてくれない。
いや、無知だから医療の知識が豊富なお医者様を頼った訳で…。私はそんなに非常識なのか?と自問自答しながら病院を後にしました。

結局、皮膚科ではないということ以外は何も得ることができず。2018年3月下旬。